死人贊歌
Instrumental
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
無常の暗がりに 落ちてゆく 夜ごと匂いし 死肉が跳どる 蠢く黒い影 夜陰に紛れ 草を掻き分け 跋扈 跋扈 跋扈 「起き上がり」人はそれを鬼と呼ぶ 窓辺から漏れる明かりに 鬼が群がる 嘘臭い虚言が真実になる 怖いものの正体は 墓から甦る忌々しい鬼 それでも愚かな人間等は 目を閉じ耳を蓋う 鬼が来る 誰もが暗闇と孤独の中 夜を凌ぐ 鬼が来る 何時しか遠目に見る葬列にも慣れ 長々と続く読経の聲が絶えるまで 己とは無縁でありますようにと 手を合わせる 何かがおかしいと誰もが齟齬に気づいている 乾ききった風が 蟲の聲と夕暮れを運んでくる 抑々 人は如何して夜道が怖いのだろう 背中を伝う汗に愕き振り返る 人は暗がりを恐れる 夜明けが待ち遠しい 庭先で聞こえる微かな物音に 目が覺める 窓硝子に映る露出しの暗夜は陰鬱で 恐る恐る開いた窓から 艶の無い闇と 饐えた匂いが流れ込む …此処に居る… 冷たい指先が己の頸を這う 怯えた微笑が人懐しい 鬼となる 迎えた朝は気怠さと疲れに塗れていた 厭夢の続きが生々しい 鬼となる 嗚呼 深く昏く 貪欲にも荒々しく死は背後に忍び寄る 憤怒と狼狽 浅ましく醜い鬼は 心を照らす鏡となり 甦る 夜の闇さえ暗く美しい …己に巣喰う虚無に還る
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
[五人一首「傀儡の造形」歌詞] 無可有の郷へ ぐしやりと喉を潰され 土に埋もれしこの肉体 頰骨が皮膚に吸いつくこともなく 鬱血による瘢痕もなく 薄紅に染まる肌は美しかった 艶めかしいこの肉を饞ぼるのは老いた骨 花の匂いと禍つ太陽 密やかな殯 沸き立つ不浄と雨降る情念 手を合わす待ち人 鴉の騒めきが脳髄に鳴り渡る 恥辱に群がる卑しきもの 露出しの肉を啄む卑しきもの 知らない空の記憶 遠い記憶 逃げ惑う鳥は何処へ帰るのかおしえて 狂おしいほどに 憐れ擒となりて 抜け殻に魅されて ひとり浄土に舞う 亡骸ひとつ ひとり地獄に落ちる 猜疑に揺らぐ 暮れゆく空は 血肉の泪浮かべて 絶えず肉体を刻む 醜い肉を脱ぎ捨て ひとり灰になる 亡骸ひとつ ひとり土に冥る 自ら食い荒らした情愛すら 桎梏と化す それでも魂無ければ 哮り狂うことも無く 我が物となる 脆い骨も 肉も 血も
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
[五人一首「毒薬と再生」歌詞] あの日、空に吸い込まれそうになるほど 高々と漕いだブランコの上で手に入れたもの… けたたましい嬌声 沈黙を破る鬼哭の窠 虚飾の団樂が巣喰う 塵芥の如し 焦がれるは独り籠もれる殻ばかり 渦巻いている 賛美と屈辱 誇らしく咲く花 得体の知れぬ 快楽と不条理 非力な眼のふりをする 幼子のような横顔 この手で黄泉に送りましょう 荒れ狂う雨と共に 訪れる静寂 折り重なる人形 苦悶の形相 手足投げ出し天を仰ぐ のたうち回り 喉を搔きむしるその拗れた姿 なんと美しいのだろう… 歪んだ口元 わずかな笑みが溢れた…溢れた… 妬みや憎しみ すべて消えたと思いたい… 独り断末魔の中 怯えることもなく 静かに腰掛けて呼吸する 濁れた聲に濁れた聲を重ね 皆が皆 塵土を塗り潰す あははは 醜い… そのような理由で 皆のグラスに毒を注いだのです 鈍く淀む呼吸 寂寞たる祝祭 あるは椅子の軋む音と 地肌より吹き出る汗ばかり 高々と掲げた祝杯に酔いしれ 艶やかにしなやかに咲き満つ華となる 寂滅為楽 響く聲 我が身遮るものは無し 高々と漕いだブランコの上で 無邪気に笑い苒千を離す いーあーはーあー いーあーはーあー いーあーはーあー いーあーはーあー 千尋に降り積もる 孤独とひきかえに 手に人れたのは 醜いものを見る 無数の眼差し 無明の闇は 何時までも続く 色即是空 空即是色 慰める術も無く 沈んだ澱は取り除かれること無く ただ深々と降り積もる 得体の知れぬ 快楽と不条理 我が内に在る 孤独の病
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
[五人一首「然るべき闇夜へ」歌詞] 季節の変わり目に吹く風が運んでくる匂い 嘗ての懐かしい顔が思い浮かぶ 幼き頃 はからずも見つけてしまった此の世の果て 本来交わるべきことの無い此の世の果て 再び踏み入れたことがすべての始まりだった 静かに佇む木々 色深く聳え立ち 或るとぎは強く或るときは柔らかく包む 此処は現身のカ 及ばぬ此の世の果て 異形の者が行き交う闇 途方に暮れる 此れから始まる 更なる負の連鎖 後悔 後悔 狼狽 狼狽 憤慨 憤慨 手に余る現実 死 脳裏掠める予感 死 背筋這いあがる 隣で力無く横たわる肉体 まるで地べたに落ち潰れた果実のよう 揺さぶる手に伝わる重く柔らかい肉の塊 既に眼球から生気が抜け 瞼の奥闇 見据えている 辛うじて探し得た一筋の光明を前に 歩けど歩けど 堂々巡り 近づけず 屍と化した生々しい肉体 帰途失う 迷い込んだ此の世の果て 此処での死は 永遠に闇を見つめる者となる提 嗚呼 後悔 後悔 後悔 後悔 後悔 悠久の歴史を経て 受け継がれて来た 此の世の果ての 反魂の雨寺 僧侶日く「覚悟と犠牲 己は持ち合わせているのか 徒に摂理に逆らわず在るが儘に 然るべき闇夜へと導かれるだろう」 伽藍堂の眼 薄闇の中 横たわる嘗ての幼なじみ 布に包まれ 護符に守られ 此処に留める 幽かに肉動くのを隣で感じ 眉を顰め 口元から漏れる鬼哭の聲 思わず耳塞ぐ 目を閉じ 噎び泣き 詫び続ける 死 此処に渦巻く 死 背筋這いあがる 何も出来ず 何も語らず 白濁とした眼が訴える 此処でお別れだと 削げ落ちた頰が幽かに綻ぶ幻影を見た 其の眼に疇躇いは無く 異形の者と共に旅立つ覚悟が見てとれた さあ解き放て やがて時期が来ると音も無く立ち上がり歩き出した 夜の果ての闇へ 現世へと続く帰途ひとり 血と汗諸共に染み込んだ土を踏みしめ 人界へ辿り着く 常しえに気づかれず 秘かに息づく此の世の果て 何時しか巡り逢うだろう 友に
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
[五人一首「呵責」歌詞] 絶え間なく 己 呼ぶ聲 舞い散る火の粉 揺れ踊る影 乱れる白髪 刳れた眼 何もかもが腐り始めている 皺より滲み出る腐臭 …生ける屍… 何時からか 極楽浄土 行ったり来たり 老いが内面を蝕む 稀に戻る自我 恐怖に苛まれ 顔を埋め 繰り返し 死願う 再び正気失い 転げ落ちた川淵 捥がき溺れゆく老いた醜態 滴る雫 苦悶の泪 沈んでは浮かび やがて鎮まる水面 (此処は何処じや) (此処は何処じゃ) (此処は何処じや) (此処は何処じや) 錆びた魂 慙愧の念に堪えられず それ故 我 何もせず ただ地べたに身を伏せ 目を瞑る 死の淵 見開いた目に映る 漆黒の炎 耳の奥底 己呼ぶ聲 離れない 無情の暗がりに落ちてゆく… 湧き立つ不浄と雨降る情念 我が身を遮るものは無し 迷い込んだ此の世の果て 地べたに身を伏せ目を瞑る ただ行き場の無い聲が漆黒に筋する
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026
[五人一首「弔いの月に啼く」歌詞] 無依とは無縁なり 怨嗟塗れの此岸 塵に埋もれ果無む者無し 行き着く彼岸さえも 汚穢 覆い隠し もはや偽りの境地と成り果て 塵芥 低き重い空 囲まれし寒村 陽も射さぬ 此処に息衝く者達 ただ陰々 闇あるばかり 黒々 陰翳落とす深き御山 恐れ 忌まれ 疎まれ 崇められ 延々巡る 血と血の雑じり合い 賤しき血は 濁りて怨となり 狭き闇 誰もが逃れる術知らず 日ごと募りし苛立ち 夜ごと蔓延る窮状 罵るがいい 蔑むがいい 溢れ出す鬱積の餌食 降りしきる蟬時雨 世人と接わらん 寂寥の念 贖え 後生まで 才ーイ オーイ オーイ オーイ 新月に白く浮かぶ肌 秘めた瞋恚の炎 透ける頰に落とす陰 もはや痛みすら無く 黒く深い蠹魚となり ある晴れた日の蟲送りの行列 茹だるような日照りに 青臭く繁る草の匂い 忌み疎む 夥しい蟲 まるで死に赴く重苦しい葬列 抱え込む闇 あまりにも深く 森も静かに啼く 昇るはずの月すら見えない 新しい明日は無い 荒神よ… ヒーイーヒーイー ヒーイーヒーイー ヒーイーヒーイー ヒーイーヒーイー ウツハツ ウツハツ ウツハツ ゥツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ゥツハツ 舞い上がる土埃 咆哮の如し 風切る顔貌 猛々し 空響く幻視の銃口 冥き闇 駆け抜ける荒神 立ち現る 口より溢れるは雄々しい物語り 鈍く光る銃身 深部に触れる重く乾いた音 誰もが破壊に焦がれる 遠くの戦火に在らず 誰と誰が望ましい 指折り数える 躅り寄る不穏な気配 戸口より覗く青白き肌 突き刺さる眼光 鋭く 小さく漏れる息遣い 戦慄覚える 愛おしき生霊 もはや阻むもの無し 緩やかに浸食 浸食 ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ 汚穢埋まる此の地 当て所無く歩き続ける荒神 ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ ウツハツ いずれ背負う闇 いずれ訪れる終焉は近し ら一ら一ら一ら一 ら一ら一ら一ら一 ら一ら一ら一ら一 ら一ら一ら一ら一 荒神 行き着く彼岸に咲く花 血を糧に狂い咲く 惨劇は怒号共に唐突に 轟く悲鳴 這いずる者達 右往左往 骨まで喰い込む恨み節 肉塊打ち抜く憎悪 無数と倒れし形骸の山 鬼となれ 無慈悲で強い鬼となれ 鬼となれ 永らえる命など無く 今宵 月が背中押す 死せし者 粛然として横たわる 生けし者 浅ましき性 透ける程に白く脆い顔貌 浴びた血 幾許か 甘美な幻想 現身となり 透ける程に白く脆い顔貌 浴びた血 幾許か 甘美な幻想 現身となり 音も無く 押し寄せる情念 高鳴る鼓動 抑える 死に赴く者の魂 地に停まり醜い姿晒す オーイ オーイ オーイ オーイ 弔う者も無く ただ行き場の無い聲が漆黒に谺する 此の手に滲んだ夥しい血の匂い 蒼白い月が呑み込む 躊躇いも心残りも 何も無い在りの儘の姿晒し 命断ち切る 静かに 嗚呼 啼く 嗚呼 嗚呼 嗚呼 嗚呼
Submitted by Iron_Wraith — Jun 06, 2026